WORKS 実績

伊勢志摩海のパエリア

2024.02.19
サムネイル画像
Producer
EAT to KNOW
Menu development
XIRINGUITO Escribà
Specieal Thanks
In-yo(陰陽)/ (有)伊勢志摩冷凍

アーティストユニット「In-yo(陰陽)」と協業企画した「EAT to KNOW」プロジェクト。

伊勢志摩近海の海洋変化で爆発的に増加している海のギャング「ウツボ」を資産化し、その需要拡大と市場価値の構築、低利用魚の食文化定着を目指し実施。

伊勢志摩は志摩スペイン村があることや、合併前はバレンシアの一部と姉妹都市提携していたこと、またスペインにはウツボの食文化があることから、東京渋谷のバルセロナ発パエリア専門店〈XIRINGUITO Escribà〉のシグネチャーメニューとコラボレーションし「伊勢志摩 海のパエリア」を2023年4月から10月の期間限定で販売。

ウツボ・真蛸・伊勢海老

ウツボは真蛸を捕食し

真蛸は伊勢海老を捕食する

それゆえ伊勢海老はウツボの後ろに隠れて暮らす

この共生関係にあった3者が、海女さん(伊勢志摩は海女さんが多く、国の重要無形民俗文化財に指定されている)の話によると

もう随分と前からウツボばかりになってきた実感があったとか

伊勢志摩を実際に訪れ、伊勢志摩の漁師兼水産加工会社と共に企画着手した時には例年よりかなり少なくなったものの水揚げのある状態だった真蛸は

企画を実現した翌2023年には水揚げが0に

渋谷のレストランで企画実施した際のメニュー表記・・・

地理的特徴や産業構造が似ていることからスペイン バレンシア州と姉妹都市提携をしている三重県。伊勢志摩の近海はリアス式海岸の複雑で入り組んだ地形がもたらす豊かな生態系が育まれてきましたが、近年の地球環境変化により普段目には見えない海の中でも、大きく生態系バランスが崩れはじめています。

伊勢海老を捕食する真蛸、真蛸を捕食するウツボ、ウツボに隠れる伊勢海老という三角関係が成り立っていた伊勢志摩の海は、近年の様々な地球環境変化により真蛸が減少、ウツボの個体数は増加。捕食するものを求め共生関係にあった伊勢海老をウツボが捕食し始めてしまいました。2022年には遂に伊勢志摩での真蛸の水揚げは0に。ウツボが増えすぎてしまった今、里山と同じ考えにて人間の手をいれ、今ある資源に価値を見出し私たちの食文化を適応させていく必要があります。

今回当店で提供する「伊勢志摩の海のパエリア」は、このウツボ・真蛸・伊勢海老で当初計画がスタートしましたが、真蛸の水揚げが0になった今、テーブルに提供するパエリアからも「真蛸」は消えました。私たちが豊で永遠にあると錯覚している魚介類の種それ自体や漁業関係者が直面している迫りくる危機感をお伝えできればと考え、本メニューの提供を開始致しました。

EAT TO KNOWとは:

「知ってほしい食のこと」 を「美味しく食べて学ぶ」ことで未来に残すプロジェクト。

「情報性の高い芸術表現」を通じて直接的に人の心に訴えるアーティストユニット“In-Yo(陰陽)”と食を介して環境問題にフォーカスする「FARMER⇄YOU PROJECT」のコラボ企画です。

In-yo(陰陽):http://in-yo.jp/

企画内容参考記事:https://ignite.jp/2023/04/529901/